【書評】ビジネス書図鑑
こんにちは
グロービスの荒木さんによるビジネス書図鑑です。
古今東西のいろいろな名著を、1冊8ページ程度で図解している本です。
本屋をめぐっている際に見かけ、面白そうだと思って買ってみました。
メルカリで売却しようと思いますが、ささっと読む分には面白いかと思います。
この本のホームページを見れば目次が書いてあり、目次の中に本書で紹介されている書籍が書いてあるので、目次を見て買うかどうかを決めればよいのではないでしょうか。
ビジネス書図鑑を読んで以下2冊を読んでみようと思いました。
・なぜ人と組織は変われないのか
・イノベーションオブライフ
そして、実際になぜ人と組織は変われないのか、を、先ほど読了したのですが、ビジネス書図鑑を読んでおきさえすれば、実際の本を読まなくていいのではないかと思うような印象でした。
『なぜ人と組織は変われないのか』の中身は、人間はなぜ変われないのか、についてを論じた本です。人が変わろうとしても、その変化を阻む裏の目標・裏の目標のさらに裏にある固定観念があるせいで人間は変われないと説くものです。
もう少しこちらの本を熟読してみて、この本に書いてあることを実践してみようと思います
2019年総予測 ダイヤモンド/東洋経済
年末年始の中でダイヤモンド誌と東洋経済誌の2019総予測を読みました。
2019年の日本と世界がどうなるかについて両誌とも書いています。どちらも差はないですが、気になったことをいくつか書いてみます。
まず、2018年12月の株価の乱高下もあってか、2019年の予測の中では「2019年は不況やブラックスワンが訪れる可能性がある」という論調であることが目につきました。確かに考えられるリスクはつきないですが、トランプ大統領の当選みたいなある意味ショッキングなイベントがあってもここ10年経済は成長してきていて、2019年に一気に不況に陥ることはないような気がします。
一方で、そろそろ経済サイクルの頂点に達していて、いつ経済が急落してもおかしくないという話もわかります。
今回の2019年の大きなイベントと言えば以下のようなものでしょうか
2月 米中の貿易戦争の停戦の期限到来
3月 Brexitの交渉期限到来
5月 欧州議会選挙
7月 参議院総選挙
10月 消費税増税
こんなものかと思います。ただ、ここに書かれていることは、正直現時点で結果をある程度予測できるものじゃないかと思います。それこそ2月に米中で異常な関税が設定されたり、3月にHard Brexitが起こるようなことがあれば、それが引き金になることもあるでしょう。ただ、その可能性はほとんどゼロに近いようなものだと思います。欧州議会選挙は多少極右政党が議席を伸ばして終わり。参院選は自民党が圧勝とは言わずともそれなりに得票を得る。消費増税はもう、わかっていること。
なので、2019年の世界・日本は
・このままずるずるゴルディロックスが続く
・何らかのブラックスワンが訪れ、日本と世界が大混乱に陥る
の、どちらかではないでしょうか。
今回、2017年に発刊された2018年の東洋経済年間予測と、2018年に発刊された2019年の東洋経済年間予測を比べてみました。前者においては政治イベントや地政学について、半分くらいかかれていましたが、後者においては半分が産業(各業界の見通し)についてでした。それだけ、2019年は大きなイベントがないっていうことなんだと思います。
【アウトプット】日経トレンディ2019年1月号 未来予測キーワード&カレンダー
日経トレンディの2019年1月号 未来予測キーワード&カレンダーの書評です
トピックを深く掘り下げていくというよりは、興味のあること、目に留まったことを書いていこうと思います。
ハムリーズというおもちゃ会社が魅せる販売で小売りの新境地を開拓中。イギリス発の会社で、日本には横浜と福岡市にお店がある。
AIの進歩は比較的早い。2-3年後に起こりそうなAIの将来像として、各個人の分身としてのAIが登場する。そのAIは買い物や情報収集などを持ち主のPreferrenceに応じて、良い情報を集めてくれる
Maasというのは、移動についてを手段でなく目的とする考え方である。日本ではまだ4フェーズあるうちのステージ1だが、欧米ではステージ3まで進んでいる。
以上です。あとは年末年始に東京経済の2019年代予測を読んで、このブログにアップします
【アウトプット】書評:ライフハック大全 知的生活の設計
同じサイズの色違いで堀正岳さんが発行している2冊の本を紹介します。
ひとつは『知的生活の設計』もうひとつは『ライフハック大全』です。前者は5年後10年後を見据えて、どのような生活を送れば知的なストックを増やしていけるかの本、後者は、読んだらすぐ使える5分で生活を劇的に変える方法を書いた本です。筆者は研究者兼ブロガーという経歴をお持ちで、本の執筆はサイドワークとして行われているようです。それもあってか、前者の「10年後のキャリア」を見据えた本は、深い洞察が少ないように見えました。一方で後者は、インターネット上で見つかる「ライフハッカー」のようなサイトを、わかりやすくかつハイクオリティにまとめた構成になっており、非常に価値が高いと感じました。
前者『知的生活の設計』については、10年後の自分を支える83の戦略というサブタイトルがついています。書店で目次を眺めて面白そうだなと思い買いましたが、電車の中で1時間程度で読むレベルの内容でした。
後で述べる『ライフハック大全』の方で出てくるすぐ役に立つライフハックと、レベル感があまり変わらず、10年後を見据えた話があまり出てきません。それに何より1日2時間は知的生活のストックを築くには時間をかける必要があるということが前提になっており、かなりハードルが高いと感じました。
学びとしては、これだけ本やネットに情報があふれている今、自分にとって意味のある情報をどうやって探し、どうやってストックするかという方法論が役立ちました。情報にストックするにあたっては、Evernoteや紙のカードなどを駆使し、後で検索可能な状況にしておくことが大事です。私のように企業勤めの人間だと、今は紙で仕事をするケースと、ペーパーレスで仕事をするケースが半々くらいの過渡期にある人も多いと思います。何かメモをするときは、もらった資料にメモしていてはあとでどこに行ったか分からなくなるので、紙なら紙、ネット上のメモアプリならアプリに統一的なルールの下で書いたほうがよいでしょう。
余談ですが、企業に勤めていると世代が上の人は紙を好み、世代が下の人はペーパーレスを好みます。これだと、仕事の資料の管理が二重管理になることが多く、あとで検索するときに面倒なんですよね。。。取引先とのミーティングでも紙の場合もあればペーパーレスの場合もあり、どちらかに統一してほしいと思ってしまいます。
今回の書評もう一冊は『ライフハック大全』です。
こちらの本は、サブタイトルに人生と仕事を変える小さな習慣250とある通り、5分でできることが250個書いてあります。小さな習慣なので、内容について考察するというほどのこともなく、「確かにこれはやってみたほうが良さそうだな」というのが、いくつか見つかると思います。
本の内容は、「自分が一番集中力が高まる時間に一番難しいタスクをぶつけよ」「集中力を切らさないためにメールの通知はオフにせよ」「ビジネスパフォーマンスのためには適度な運動や節酒を行うべし」といった、よく見かけるものから、なかなか普段で会うことのない便利だけどもあまり知られていないアプリの紹介など、多岐にわたっています。本の中でも二つ印象に残った項目があったのでシェアします
①ディープワークで自分の限界に挑戦せよ
私たちは日々の仕事の中で、頭を使って考えるというよりは日常的な業務を淡々と処理することに時間を割かれがちです。そのような状況だと、なかなか自分の頭の良さは開発されていきません。本の中では1週間の中で意識して自分のレベルを超えるイシュー=ディープワークに取り組むべしと書いてあります。自分の限界を超えるような話、例えば数学や哲学などに意識して正面から向かうことによって、能力が開発されていくということです。
今考えてみると、高校や大学時代は、常に新しいこと、かつ、自分にとっては未知の話を学んでいました。その最たるものが高校時代の数学で、今振り返ってみてもよくあんなに難解なものを自分の力で理解しようとしていたものだと思います。そうした知的格闘をしていくことで、その格闘によって得た知識が直接的には人生に役に立たなくても、ビジネスの世界で戦っていく土台になったのだと思います。翻って今の日々の生活の中ではそういった知的格闘を行う機会もなく、3年前の自分に比べて知的パワーの向上があったかというと、そうではないようです。
なかなか時間を取るのは難しいですが、面白い考えだと思います。
②GTDで頭の中を空にする
日々の仕事の中であれをやらなきゃこれをやらなきゃということで、頭の中がもやもやしてしまうことは、誰にとってもよくあることでしょう。そういったときに、頭の中で悩んでいることをすべて紙に書き散らすのです。そうすることによって、頭の中の邪念がすべて紙の上に吐き出され、頭の中がクリアになるのです。これをやるときは、プライベートのことや答えがないものも、すべて書くことが大事になります。
やってみるとわかるのですが、3分程度で書き出しが終わり、頭の中がクリアになることがわかります。書き出した後、優先順位をつけてひとつずつモヤモヤを倒していくことができ、頭の中で邪念がぐるぐる回るのを防ぐことができます。筆者の紹介している方法論として、書き出した後は、2分いないで終わるタスクは、紙に書きだしてその場で対応し、それ以外はToDoリストにまとめて順番をつけて対応するというものがありました。これもやってみましたが、非常に効果的でした。
本日は以上です。2冊本を紹介しましたが、もしライフハックの考え方を知らない方がいらっしゃるのであれば、絶対に買うべき本だと思います
【アウトプット】書評:アウトプット大全
アマゾンで非常に評価が高く、書店でも平積みになっているこの本を読んでみました。
『アウトプット大全』樺沢紫苑氏著
この本は、私がこのブログを始めるきっかけになった本です。
コンセプトは極めて明快です。
「学びを結果に変えるのであれば、インプットだけでなく、アウトプットを積極的にしよう。そして、インプットとアウトプットの比率は、インプット3アウトプット7程度が理想である。」
という内容です。
この本を読んで、何かインプットがあったら、かならずインプットした内容について考えるということを実践しようと思いました。この本に限らず、「頭を良くしようと思ったら移動時間に電車の中づり広告を見て、自分がこの会社の社長だったらどうするか思考トレーニングをすべき」「1時間本を読んだらその内容について3時間は考えよう」というような話を聞いたことがあります。この本は、ちまたで言われる「考える」という行為を、「アウトプット」という方法で行い、学んだことの定着や頭の良さの向上に繋げていこうという本です。
私も今こうして、本の紹介をするにあたって、この本を再度読んでいますし、その際にはただ本を読むよりもかなり集中して中身を読んでいます。本を読んだ後にやることとして、ブログを書くまで行かなくても、友人に少し話してみる、Twitterに書いてみる、Amazonでレビューしてみる、と言ったことをしてみるだけで、脳の違うところが働くことになると思います。
また、アウトプットの話とは少しずれますが、ビジネスブレイクスルー大学院の学長、大前研一さんはRTOC(Real Time Online Casestudy)という方法で思考能力を高める方法を提案しています。これは、「あなたが富士フィルムの社長であればどういう事業計画を打ち出すか」というように、今まさに現実世界で起こっている題材を用い、考えについて皆で議論するものです。このRTOCも、アウトプットの一種であると思います。個人的には、プチMBAのようなかたちで、こういったディスカッションの場があればいろいろな社会人が参加して有意義な時間を過ごせると思うのですが。。。
今日は以上です
【アウトプット】現代経済学 瀧澤弘和
Diamond誌の2018年経済誌ランキングで上位に入っていた本の書評です
本の名前は『現代経済学』著者は瀧澤弘和氏
内容は20世紀後半に多様化した経済学の見取り図です。
著者が専門とするゲーム理論:行動経済学を中心に、20世紀後半においてどのように経済学が多様化してきたかについて書いてあります。
私は大学で経済学を学んでいましたが、近年の経済学は心理学の要素を取り入れ、人間がなぜその行動をとるのかを踏まえた考え方が主流になってきています。
たとえば、お互いを全く知らないAさんとBさんがいて、AさんとBさんで10万円を分配するとします。分配の方法はAさんが決め、Bさんは、Aさんが決めた分配方法に従いお金を受け取るか、分配の方法が気に入らない場合、AさんにもBさんにも一銭も入らないようにするかを選ぶことができます。この場合、たとえばAさんが決めた分配が、Aさんに9万、Bさんに1万だったとします。Bさんからすれば、1万円でも貰うことができるのであれば、便益を得ることができるはずなのですが、Aさんが9割持っていくことについて不公平だと考えて、Bさんが取引を停止することがあります。
このように、人間は必ずしも経済的に合理的な選択を取らないことがあります。私が大学で経済学を学んでいた際は、人間は合理的な判断をするという前提に立った理論が多かったです。一方で、現実世界を見ると、まったくそのようにはなりません。また、日本人は1,500兆にも及ぶ金融資産を持っていますが、その金融資産を使うという判断に至りません。この状態も、伝統的なマクロ経済学の論者であれば、アベノミクスで行っているような金融緩和を行うことで、インフレを起こしてお金が消費に回るようにすべきという話をするでしょう。一方で、行動経済学派に言わせれば、お金はすでに余っており、どうすれば眠っている金融資産が消費に回るかを考えるはずです。
この本の書評に戻ると、伝統的なミクロ・マクロ経済学、古典派経済学から、今述べた行動経済学・神経経済学(行動経済学の発展形)・ゲーム理論・社会や経済制度の設計方法のあり方と言った経済学に、どのように分岐していったかがよくわかります。昔経済学を学び、そのまま時計が止まってしまっている方には、お勧めできる本です。
一方で、数年前に大学で経済学を学んでいた立場からすると、近年の開発経済学や、ピケティの著作に代表されるような資本についての学問があまり触れられていないように感じました。著者がゲーム理論を専門とされているので、ゲーム理論のような「経済学に実験を取り入れる」という方向に振れている気がします。
とはいえ、総じて経済学全体の見取り図としては非常にわかりやすくできており、年末にじっくり読むには素晴らしい本ではないでしょうか